若者の活字離れがあちこちで叫ばれている。当の私も学生〜20代までほとんど読書をしてこなかった。
こんな私を変えたきっかけはあのコロナ禍だった。コロナが世間でもてはやされればもてはやされるほど、世間は活動自粛を余儀なくされ、私も家で過ごす時間が増えて行ったのだった。そこで色々と新しいことに挑戦しようとして選んだ内の一つが読書でした。
読書習慣が芽生えるか芽生えないかの頃は片っ端から世間で人気のベストセラーや有名人がおすすめする本を自分の興味に任せて死に物狂いで読み漁った。そして、月日は流れてコロナが明けた現在、私は自分の暇さえ見つければ読書に明け暮れる読書家となっていた。
今回の記事は本をあまり読んでいない人や読書をしたいけどあまり読書習慣がついていない方に私が身につけた読書術を紹介します。ぜひ参考にしていただければと思います。
初めに目次に目を通す
本を開いたらまずやって欲しいのはいきなり本の内容を読み始めるのではなく、目次に目を通しましょう。目次?そんなのいらないだろ!って思っている方が大半かもしれませんが、ここに目を通すのと通さないのでは読書の質に明かな違いが生じてきます。
人に読ませる文章を書くとき一番重要なのがタイトルを決めることです。その文章を一言で言い表すとなんなのかがタイトルに凝縮されています。そうすることでたくさん存在する文章の中からどれが自分が読むべき文章なのかが一目で分かりやすくする配慮ができます。これは本でも行われていて、本の中にある数々の文章ブロックのタイトルが目次にあたります。つまり、目次一覧を事前に目を通すだけで自分がどこの文章ブロックを重点的に読むべきなのかが浮き彫りになってくるのです。目次だけをじっくり見てどこを読み込むかを考えてから読み始めてもいいですし、さらっと目を通してあらかた検討をつけてから本の内容に進んでも構いません。
一日ちょっとずつ読み進める
少しでも読書を習慣化したいのであれば毎日本に触れることが重要となってきます。
読書を今までやったことない人はとりあえず、本を開いて1行だけでも読んでほしいです。読み進めているとまた1行、そのまた1行とどんどんと読み進めることになり、気づいたら丸々1ページを読み終わっていることになっているかもしれない。そして、次のページ、さらに次のページへとどんどん視線が向いてくるはず。本を開くことさえできればこの状態に誰でも入ることができます。本を読む習慣がない人でもとりあえず本を開いて1行だけ読み始めることをやってみてください。
本題はここからだ。こうやって本を開いて書いてある内容を読んでいる内に意識が本の中に吸い込まれてどんどんと本にのめり込んでいくことになるだろう。しかし、この読書という行為を一発屋で終わらせずに済ます方法がある。それが時間を制限して読むということである。面白い本だとどうしても一気に読みたくなることがあります。それを堪えて一回に読み進める量を時間で制限して読書の熱量を次の時にセーブしておく。こうすることで次にその本を読む時までにその本を読みたいという衝動が体の中でフツフツと沸き起こってくるはずです。そうなれば、読書が一日ポッキリで終わってしまう活動ではなく、毎日続く習慣になる可能性が大幅に上がるでこと間違いありません。
私の場合は一日に一冊の本を15分か25分だけを読み進めるようにしています。この時間制限読書法を実施した頃からは読書が毎日続くようになっていたように思います。
並列読み
読書というと一冊の本を読み終わるまでひたすら読まなければならないと感じている方もいるかもしれません。実を言うとそんなガチガチなルールに縛られて読書をする必要はないんです。もっと自由に色々な本を同時に読んでもいいんです。それが今回紹介する並列読みです。この並列読みをするにはまず本が最低でも2冊以上必要となってきます。好きな本が2冊用意できたら早速やってみましょう。可能であれば、用意する本は似たようなジャンルではなく全く別のジャンルを選ぶのをお勧めします。
本が用意ができたところで並列読みのやり方について説明します。まずこの並列読みは先ほどの一日に少しずつ読み進めるという読書術と相性が非常にいいです。一つの本を15〜25分読み進めた後にすかさず待機していた別の本を読み始めるだけです。15分サイクルであれば、1時間で4冊。25分サイクルであれば50分で2冊の本を読むことができます。この読書術をやっていてとてもいいことは人間の限界集中力を最大限に利用していることです。人間の集中力は15分くらいが限界という研究もあります。そこで集中力の波を逆手に利用して15分くらいを目安に強制的に読み終えて次の本に向かえば、集中力が一旦リセットされて自然と集中力が長続きするということになります。また異なるジャンルの本を次々と読書するので、余計に飽きが来なくて集中力が継続することになるでしょう。
また、異なるジャンルの本を集めたはずなのにも関わらず、ごくたまに似たような内容の単語や説明が次に読んでいる別の本の中でぽっと出てきたときは少しテンションが上がってしまいます。この感覚をぜひ味わってみてほしいです。
隙間時間を読書に充てる
皆さんは一日24時間の活動をどんな配分で過ごしていますか?ぱっと答えられる人は少ないと思います。それもそのはず、ほとんどの人は一日を一分一秒を意識せずにのほほんと過ごしているからです。
しかし、今一度自分の一日の過ごし方を改めて見つめ直してください。いくつかの必ずやらなければならないことの合間合間に必ず隙間時間があるはずです。そのちょっとした隙間時間にスマホをいじったり、テレビを見たり、ゲームをしたり、していませんか?その時間を全て読書に充てるようにしていれば、今まで無駄に過ごしていた時間で気づいたら本が一冊読み終わっていたなんてことは十分にあり得る話です。
私の場合は、通勤時間の隙間時間をなるべく読書時間にあてています。特に通勤時間に関しては今までは電車に乗っているだけではぼーっとするかスマホをいじるしかやることがなかったですが、読書をすることで数日で一冊の本が読み終わってしまいます。あなたもまずは通勤時間があるのであればそこで読書始めてみませんか?
大事なところはマーカーを引く
一冊の本に重要なことや自分のためになることが書かれている割合をご存知でしょうか?そんなの本のほとんどじゃないの?とか半分くらい?と回答する人もいるでしょう。しかし、なんと10%以下しかないと言われています。ましてや読書している自分にとってためになる内容が一冊の本の中にたった1文だけということも十分にあり得る話です。
読書をする目的とは本と真剣に向き合い、本の中に隠された10%しか存在しない重要なところを探す旅だと私は思います。
本を読んでいる時に重要だと思う箇所に巡りあった瞬間にマーカーで線を引いてください。線を引くという行為によって記憶に定着する可能性が高まるのと本を一回読破した後に再び本をパラパラと開いていった時に瞬時にそこが重要な箇所だと一目でわかるようになり、復讐にも最適です。
本を読む機会が少ない方はどこを読んでも重要な箇所だと思ってあらゆるところにマーカーを引いてしまうかもしれません。それこそ全体の80%なんてこともあり得るでしょう。しかし、本を何冊、何十冊と読んでいくうちに段々自分が本から得られる重要な情報の割合が減ってくると思います。それだけ読書によって自分の知識量が増えたと言うことです。この境地に達するのが読書習慣が続いてからどれくらいなのかは人によって異なると思います。読書をしながらマーカーを引くということで本全体の10%程度になることができた時にあなたはかなりの数の本を読んできた証にもなります。
また、本は大切に綺麗に扱いたいと言う方もいるかもしれませんね。今回のマーカーを引くと言う行為は本を汚してしまうことに他なりません。しかし、本は目的はなんなのかと言うことを今一度問いただしてください。綺麗な状態で読んで、本棚に収納整理整頓された状態で本棚に戻してディスプレイすることでしょうか?いえ、違います。本の内容を自分の血や骨として頭にインプットすることです。本は綺麗に残す必要はありません。頭に残りやすいようにどんどん汚していきましょう!
勇気を持って読み飛ばす
本を買ったならそこに書かれている内容を全て読む必要があると思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。本を読み始める前に先に紹介した最初に目次に目を通すことを紹介しましたが、ここで目次の中で気になった箇所だけを読むことも問題ありません。本を読む目的は自分の知的好奇心を満たしたり、自分の生き方や思考法や性格をより良くするためにあります。そのため、今の自分に必要のない部分は極論読まなくてもいいのです。
また、本をどんどんと読み進めていく時にここは面白くないなと感じた部分に関しても思い切って読み飛ばしましょう。読み飛ばすと言っても斜め読みくらいをする感覚、つまり文字を黙読するのではなく、目で文字を追うイメージです。
さらに、もう一点実践してほしいのが、洋書の翻訳本に多いパターンでの読み飛ばし方法です。
個人主義の欧米スタイルとして文章の中に○○大学の×××氏が△△△と言う法則を発見したという文言が良く見受けられます。ここで、本当に欲しい情報は△△△の部分に当たります。○○大学や×××氏といった情報はその分野の専門家かそれをテスト科目で暗記したい学生などには必要なものかもしれませんが、はっきり言って素人の私たちにとってはどうでもいい情報です。ここもさらっと一字一句読むのではなく、目でサッと通して、重要な△△△の部分を重点的に読み込んでいくことがベストです。
読み終わったらノートにまとめる
読書は読んだだけでは内容が頭に残りにくいです。読んでから一週間は頭の中に残っているかもしれませんが、だんだんと忘れていくことでしょう。そこで重要なのが本でインプットしたアウトプットをすることです。その中でも一番の有効策が他の人に読んだ本の内容を伝えるとよく言われています。しかし、私が推奨するのは相手に内容を伝える前の段階で本の内容をノートにまとめることです。ノートにまとめるだけで内容がより理解が深まり、記憶が定着することに加え、忘れたとしてもノートをパラパラと見れば本の内容が簡単に確認することが可能になります。
ノートにまとめるための秘訣はノートの見開きの右側に本に書かれた内容で重要だったことを箇条書きしていき、左側に右側で箇条書きにしたことに対して自分なりの気づきや考察を含めて書き殴ります。
どう言うことか詳しく説明します。本を読み終わったらすでに大事なところはマーカーで引かれているはずです。そのマーカー部分を中心にノート右側にどんどん箇条書きで書き写していきます。一冊の本で大事なところは全体の10%程度しかないとお伝えしていたはずですから、その量であればノートの右側によほど出ない限り収まり切るはずです。そして、右側が埋まったら箇条書きされた内容を自分の中でリンクしていきノートの左側に自分なりの解釈を絵なども駆使してどんな形でもいいので表現するんです。
大きく分けてこの二つの作業を本一冊で見開き1ページに落とし込むようにしましょう。
最後に
ここまでお読みいただきましてありがとうございます。
読書をする際に今回は紹介した読書術の中でもいくつかを取り組んでいただければ、あなたの読書ライフがより快適になると思います。読書習慣がない方はまずは一冊なんでも気になった本を手に取ってみましょう。
読書をすることであなたの知見を広げることが絶対にできます。
一冊でも多く読んで一冊でも多く自分の血となり骨となることを祈っています。
それでは、また。