消防設備士甲種第5類の受験を考えている方の中には、
「甲5ってどれくらい勉強すれば合格できるの?」
「独学でも一発合格できる?」
「どの参考書を使えばいい?」
と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
私自身、これまで消防設備士乙6、甲4と独学で取得してきましたが、今回新たに消防設備士甲種第5類にも独学で一発で合格することができました。
今回は、消防設備士甲5に一発合格するまでに行った私が行った勉強方法や使用した教材、そして実際に試験を受けて感じたことまで詳しく紹介していきます。
消防設備士甲5とは
消防設備士甲種第5類は、建物に設置される避難器具の工事・整備・点検を行うための国家資格です。
対象となる設備には、
- 金属製避難はしご
- 救助袋
- 緩降機
などがあります。
マンションのベランダなどに設置されている避難はしごは、皆さんも一度くらい見たことがあるのではないでしょうか。
火災などによって通常の避難経路が使えなくなった場合、人が安全に避難するために使用する重要な消防設備です。
甲5を取得すれば何ができる?
消防設備士には甲種と乙種があります。
乙種5類では対象となる避難器具の整備・点検を行うことができますが、甲種5類を取得すると、それに加えて工事まで行うことができます。
せっかく5類を取得するのであれば、受験資格を満たしている方は甲種を目指してみてもいいのではないでしょうか。
一発合格までの学習記録
ここからは、私が消防設備士甲5に一発合格するまでに行った勉強方法などについて紹介していきます。
勉強に要したトータル時間
今回の甲5試験では、1日15分の勉強を約3ヶ月間続けました。
単純計算すると
15分 × 約90日 = 1,350分なので、
トータルの勉強時間は約22.5時間です。
以前受験した甲4では、かなり長い時間をかけて勉強していたことを考えると、甲5ではかなり勉強時間を減らすことができました。
すでに乙6・甲4の勉強を経験していたため、共通法令などの知識がある程度残っていたことも大きかったのもありますが、製図問題が甲種4類のように図面内に感知器や配線図をたくさん書いて作図するというような時間がかかる問題がなかったためやり込み要素が少なかったのも勉強時間があまりかからなかったんだと思います。
それにしても消防設備士試験は複数の類を取得していくと、一度覚えた共通法令や専門知識を次の試験でも活用できるのがいいところですね。
毎日15分を会社に出勤する前の朝活の時間に当てていたので、それほど負担にはならず淡々と勉強を続けることができました。
使用した教材
今回使用した教材はこちら。
公論出版の消防設備士第5類 上巻・下巻です。
乙6、甲4と公論出版を使って無事に一発合格できていたので、今回も迷うことなく公論出版を選びました。
甲5も上巻と下巻に分かれており、筆記試験対策はもちろんのこと鑑別や製図といった実技試験の実際に出題された問題まで勉強することができます。
消防設備士試験は試験問題が持ち帰れないため、一般的な資格試験のように公式の過去問題を大量に解くことができません。その中で過去に出題された問題を数多く掲載している公論出版は、やはり消防設備士試験を受験するうえで非常に頼りになります。
私が行った勉強方法
基本的な勉強方法は、これまで受けた消防設備士試験とほぼ同じです。
テキストを読む → 問題を解く
これをひたすら繰り返しました。
ただ、公論出版のテキストは白黒印刷で緩降機や救助袋などの実物イメージや使用方法がいまいちピンと来ないところがありましたので、そこらへんはYoutubeを使って動画で学習していました。
大事なところは目立つようにマーカーをつけて繰り返しの勉強の際にすぐに目がつくようにしました。
1日15分しか勉強時間を設定していないので、一度に大量のページを進めることはできませんでしたが、毎日必ずテキストを開き、少しずつでも前に進むことを心がけました。
消防設備士の勉強では、一度ですべてを理解しようとするとかなり大変です。
最初は分からない部分があっても、とりあえず最後まで進めて、2周目、3周目と繰り返していくうちに知識が絶対につながっていきますので、根気よく続けていきましょう。
甲4と比較すると製図問題は簡単だった
甲種を受験するうえで気になるのが製図問題です。
前回受験した甲4では製図にかなり苦戦しました。自動火災報知設備などの配線や設備を図面上で考えなければならず、実際に手を動かして何度も問題を解く必要がありました。
その経験があったため、実際に甲5の勉強を始める前は
「甲5の製図も相当勉強しないといけないのでは?」
と警戒していました。
しかし、実際に公論出版の下巻を進めてみると、甲4と比較すれば甲5の製図問題はかなり取り組みやすいというのが私の印象でした。
下巻に掲載されている製図問題は大きく二つに分かれていています。
一つは建物内の図面から収容人数を計算してそこから何個の避難器具が必要でどこに設置すればいいのかを問う問題。
二つ目は緩降機を設置する際の取り付け具にかかるモーメントなどを計算する問題。
どちらもパターンさえ覚えてしまえば楽に回答することができますが、特に二つ目のモーメントを計算する問題に関しては収録されているものが似たようなものばっかりだったので、反復練習しまくっていたら計算公式もスッと頭に入っていきました。
というわけで製図問題に関しては想像していたより早く一通り終わってしまい拍子抜け。
そのため勉強時間の大部分は、上巻を中心とした筆記・鑑別を含めた知識部分の復習に使うことになりました。
試験前日になって製図が不安になる
ここまで勉強してきたものの、試験前日になると、本当にテキストに掲載されている製図問題だけで大丈夫なのかと急に不安になってきました。
公論出版の問題はある程度解けるようになっていましたが、同じ問題を何度も繰り返しているので、違う角度から出されたらジエンドのパターンもあります。
乙6と甲4では公論出版だけを頼りにしてきましたが、試験前日に本屋さんへ行き、他社から出版されている甲5の問題集を立ち読みしてみることにしました。
製図問題を中心にパラパラと確認しながら頭の中で回答。
すると、初めて見る問題でも意外と答えることができました。
これで、公論出版以外の問題でもちゃんと回答できるから問題ないと確認することができ、かなり自信につながりました。
結果としてこの試験前日の他教材チェックはやっておいてよかったと思います。
公論出版の甲5のテキストは令和7年度版が初版で問題数も少なかったので、このような変則的なことをしましたが、令和8年度版からは収録問題数もアップしているので、他の教材まで手を出す必要はないとは思いますが、今後受験する方も一冊を完璧にしたあとに時間があるのであれば、別の出版社の問題を少し確認してみるのはおすすめです。
試験本番での様子
そして迎えた試験当日。
これまで乙6、甲4と公論出版を使って一発合格できていたので、今回もある程度は同じ問題が出てくるだろうと思っていました。
しかし、試験が始まってみると、その考えはすぐに崩れます。
筆記試験|見たことのない問題が多い
筆記問題を解き始めて感じたのが、公論出版で見た全く同じ問題が思ったより少ない……ということでした。
もちろん似たような問題や、これまで勉強してきた知識でそのまま回答できる問題もあります。
しかし、
「こんな聞かれ方したことあったっけ?」
「この問題は見た記憶がないぞ」
という問題が次々と出てきました。
特に顕著だったのが、機械に関する基礎的知識です。
前回受験した甲4でも、公論出版に掲載されていない初見問題はいくつか出題されていました。その時にも過去問丸暗記だけでは少し危ないのでは?とはうっすら感じていましたが、今回の甲5ではそれ以上。
初見問題のオンパレードという印象でした。
ここまで来ると、問題と答えをそのまま覚えているだけでは対応できません。
これまで身につけた知識を総動員しながら回答することになりました。
ただ、公論出版の問題を何周もしていたことで基礎知識そのものは頭に入っていたため、初見問題でも選択肢を絞り込むことはできました。
この経験から過去問丸暗記で合格できるほど優しくは無くなったと改めて感じました。
実技試験|製図でも初見問題
そして実技試験です。
鑑別問題は五問出題されて1問が初見の問題でした。
収納式のはしごに関する知識問題でした。
ここは全く手が出ず、適当なことを書いて終わらせました。
製図問題は2問出題されます。
今回、そのうち1問の収容人数や設置避難器具を問われる問題では公論出版では大体一つの用途区分を答えさせる問題しか掲載されていいなかったのに、本番では二つの用途区分が一つの図面に載っていてそれぞれの用途の収容人数を計算するという問題が出題。
用途としては飲食店と物販販売業でしたが、各計算式や収容人数を別表の記号で記載された回答用紙に書かなければならず、ここら辺をうる覚えで挑んだため、人数計算は合っていましたが別表記号を逆に書いてしまったので撃沈でした。
緩降機の取り付けに関しては過去問と似たような問題が出題されたので、問題はなかったです。製図自体の難易度については甲4より簡単だと感じましたが、だからといって公論出版に掲載されている問題だけを丸暗記して試験へ行くのは危険だと思います。
過去問の丸暗記だけでは厳しくなっている?
今回の甲5を受験して、最も強く感じたのがここです。
私は消防設備士試験で、
乙6 → 甲4 → 甲5
と受験してきました。
乙6を受験した時は、公論出版で見た問題がかなり多く、こりゃ公論出版の過去問をひたすら周回しておけば受かるなという印象でした。
ところが甲4では初見問題が顕著に増えました。
そして今回の甲5では、さらに多くの初見問題に遭遇しました。
もちろん試験は毎回問題が異なるので、たまたま私が受験した回に初見問題が多かっただけという可能性もあります。
そのため、消防設備士試験の出題傾向が完全に変わったとまでは言えませんが、私の持論としては公論出版の問題と答えをそのまま丸暗記するだけの勉強方法は、少し危険になってきていると感じました。
だからといって、公論出版をおすすめしないという話ではありません。
むしろ今回も一発合格するための中心教材として非常に役立ちました。
問題数も多く、解説もしっかりしているので、これから甲5を受験する場合でも私は公論出版を選ぶと思います。
ただし、使い方を少し変える必要があります。
以前なら、テキスト部分はある程度流し読みしてあとは過去問をひたすら暗記するといった勉強法でもある程度対応できたかもしれません。
これからは、勉強する上で当たり前の話にはなってきますが、なぜその答えになるのかまで理解するという勉強を意識した方がいいと思います。
私が乙6を受けた際試験会場ではまだ公論出版を使用して勉強をやっている方は少なかったように思いますが、乙6受験から一年が経過して受験した甲5では試験会場では使用者が増えていました。
公論出版を使えば受かると考えている受験生が増えてきているのは事実だと思いますが、現に私の後ろで公論出版を使用していた受験生は合格者一覧には載っていませんでした・・・
試験本番で知らない問題が出ても過去問はもちろんのことテキスト部分の基礎知識があれば、選択肢を消去したり、正解を推測したりすることができる応用力が身につくはずです。
合格発表当日
合格発表当日は昼頃に消防設備士のオンラインサイトで公開されます。
筆記試験の内、機械に関する知識を中心に絶対に合っているという自信を持って答えられた問題はかなり少なく、実技試験もやらかしているため合格しているという自信があったわけではありませんでした。
仕事の昼休憩にオンラインサイトに見に行くと、合格者一覧に無事に自分の番号があるではありませんか!
無事にまた一発合格を果たせました。
そして、翌日には試験センターから合否通知がハガキが届いていて、中身を確認すると改めて今回の合格を知らせる内容が記載されていました。
合否通知には受けた試験の正答割合も記載されていて詳しく中身を確認してみると一番自信のなかった基礎知識は100%、それ以外もほぼ90%を超える正答率を獲得、実技に関しては製図問題で派手にやらかしているにも関わらず、75%の正答率となりました。

試験を受けた直後はやらかしたと思っていても基礎さえきちんとできていれば、選択肢を絞ってきちんと正解を導けていたんだなと自信につながりました。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回は消防設備士甲種第5類に独学で一発合格するまでの勉強方法と、実際に試験を受けて感じたことを紹介しました。
今回の勉強時間は、1日15分 × 約3ヶ月=約22.5時間。
使用した教材は、公論出版の甲種5類上下巻です。
甲4と比較すると製図問題は取り組みやすく、乙6の機械の基礎的知識や共通の消防法令がある程度頭に入っていれば、勉強そのものは比較的スムーズに進めることができました。
しかし、試験本番は想像以上に大変で、筆記では公論出版で見たことのない問題が数多く出題され、製図についても2問中1問が見たことのない形式。
最終的には、これまで身につけてきた知識を総動員して問題を解くことになりました。
それでも無事に一発合格できたことを考えると、公論出版で勉強したこと自体は間違っていなかったと思います。
私のように1日15分でも3ヶ月続ければ十分な勉強量になります。
これから消防設備士甲5を受験する方も、毎日少しずつ勉強を積み重ねて一発合格を目指してみてください。
私はこのあと甲種1類の取得に向けて頑張るつもりです。
それでは、また。




